航空機の運航に必要な情報を集約した「航空路誌」。航空行政を担当する国土交通省が発行しています。空港の平面図や航空路などが記されているのですが、一時的な変更などを知らせる補足版が発行されています。先月発行された補足版の中に「集団飛行について」と題されたものがありました。
開いてみるとこれが2018年10月14日に予定されている中央観閲式(正式には自衛隊記念日観閲式というらしいです)に関するもの。文面からは9月25日から前日の10月13日までの間、0900〜1200と1300〜1630の間で事前の訓練が行われることが伺えます。また正確な日時はノータムRJTDで通知するとしています。
念のためRJTDのノータムを確認してみましたが、この記事を書いている時点ではこの集団飛行に関するものは出ていませんでした。
注目すべきは使用航空機の欄。「MAX 2 ACFT」のところに「F35」の表記が。最新鋭戦闘機F-35が最大で2機飛ぶとみられるいうこと。付図には、飛行経路や待機空域が描かれたものもありまして
緯度経度と図形だけしか描かれていない図だったため、ざっくりと地図と重ねあわせてみました。会場にもっとも近いGポイントは陸自ヘリ。最大で37機がこのエリアでホールドすることになるので、なかなか騒々しい感じになりそう。最大6機フライトするHUCOとはなんでしょう?
ここからやや離れたEポイントのB350はBeechcraft 350 King Air、陸自でいうLR−2のことを指すとみられます。
写真は陸自丘珠駐屯地で撮影した北部方面航空隊本部付隊所属のもの。前回第1ヘリコプター団連絡飛行偵察隊(木更津)の機体が飛んだそうです。
陸自メインの行事ですから、これらの機体が最初に会場上空を航過飛行するのではないでしょうか。
DポイントとFポイントは海自機。P-1とP-3C、US-2がホールド。C以遠は航空自衛隊の機体となりいちばん遠いAポイントがF-35のもの。中心は栃木県の矢板市のあたりのようです。おそらく、この機体が航過飛行のトリを取ることになるんではないかと。
F-35と書かれてはいるものの、果たして今年度から三沢基地への配備が始まった航空自衛隊のものなのか、はたまた米軍の機体が祝賀飛行的に参加するのかは分かりません。
関東ではなかなかお目にかかれない空自のF-35Aであれば、航空マニア的には目玉となるのかもしれません。
航空路誌捕捉版を見ると中央観閲式にF35が最大2機参加するような記述。高度は1500〜3500ft。F35が使用するアルファホールディングポイントは栃木県の矢板のあたり。朝霞アドバイザリーの130.5は熊谷の妻沼滑空場の飛行援助局と一緒 pic.twitter.com/ez6dISKNY0
— 飛行場放浪記 (@tomo_camera) 2018年8月31日
これを見つけた時にTwitterに上げてみたところ、普段1桁程度のいいねやリツイート(さみしい…)が3桁に。ちょっとビックリしました。
さて、エアバンド的視点で気になるのはこの文書にある周波数。朝霞アドバイザリー130.5MHzで集団飛行の情報が得られる旨の記述があります。
この周波数は中央観閲式の航過飛行に参加する航空機が使用するものではなく、周辺を飛ぶ別の民間機が情報を得るための窓口のようなものなのではないかな、と思っています。
以上、国交省が公表した書類からいろいろ妄想してみました。
2018.10.02追記
この追記を執筆している時点でのノータムがこんな感じ。これだと今後は4日、8日、11日に予行があるという感じでしょうか。このうち8日は本番に準じた内容で行う総合予行として告知されています。
2018.10.04追記
和光市役所のウェブサイトに上がっている、防衛省から出たとみられるPDFのほうが分かりやすくていいですね。今日は10時から実行本部統一訓練というものが行われるようです。
2014.10.07追記
朝霞アドバイザリーの周波数についてコメント欄でも情報を頂戴しておりましたが、ノータムにもなにかしらの情報提供が出ておりました。周波数を130.050MHzに修正し、副用波として130.500MHzを使うということのようです。130.050MHzというと、中日本航空が主にドクターヘリとの通信用につかっている周波数ですが、なんでここだったんでしょう。関東圏では使っておらず、近いところでは福島県と長野県で使用されていますが…。