画像はアイコム社サイトのプレスリリースより。
通信機器メーカーのアイコムが、2016年8月のハムフェアで開発発表した広帯域受信機、IC-R8600の発売を正式に発表しました。発売日は2017年3月末、価格は228,000円(税別)とのことなので、販売価格は20万円を切るかどうかというところでしょうか?
デジタル方式の受信に対応しているのがウリの本機。デジタルとは無縁なエアバンドにとってはあまり関係のあるハナシではなく、羽田や成田の空港内で使用しているデジタルMCAの復調には対応しておらず、また一部空港で使用されているとみられるDMRにも対応していません。ただ、復調処理をソフトウェアで行うSDRを採用しているということですので、今後アップデートがある可能性もあります。
航空関係でデジタル通信と言えば、ACARSやVDLあたりをパソコンなしでみられるとおもしろいんじゃないかと思うのですが。あとADS-Bとか。
気になるのは、ネットワーク関係。背面にLANポートを備えており、遠隔操作もできるとプレスリリースには書かれてあります。たとえば受信状態のいい場所に本機を置いておいて、タブレットか何かで受信するという使い方ができるのかどうか、気になるところ。アプリが提供されるかどうか、今後の発表に期待です。
2016年のハムフェアで同時に開発発表されていたハンディタイプのIC-R30のほうが、航空祭や空港で受信する人にとっては気になるところですよね。発表時点では「仕様はなにも決まってない」というような説明でしたが、早く製品を見てみたいところです。
アイコムからはもう1機種、気になる発表がありました。
D-STAR対応のモービルトランシーバー、ID-4100なのですが、UHFエアバンドを含めた広帯域受信に対応しているとプレスリリースに書かれてありました。
最近同社が発売したアマチュア無線機の多くがUHFエアバンドの受信に対応しておらず、同周波数帯を使用する消防・防災や海上保安庁に製品を納入するための条件だったのではなどのさまざまな憶測を呼んでいました。すでに廃盤製品になっていますが、同社のモービルトランシーバーIC-2720はUHFエアバンドの感度が高く、航空マニアのあいだでも高い評価を得ていました。そんな時代がまたやってくるのではと、つい期待してしまいます。