飛行場放浪記

飛行場が大好きなおっさんがなにか書いてます

羽田空港の新進入経路、米側の承認得られず運用できない?

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2020年の大きなイベントに合わせる形で、羽田空港の離着陸回数を現在より増やすべくすすめている施策、いわゆる羽田空港の機能強化ですが、なかでも注目されていたのが都心の上空を通過する進入経路の部分。南風時の安定した進入を目指すものだとは思うのですが、騒音や落下物、事故への懸念の声をメディアなどは多く伝えていました。

それはともかく。

2018年10月4日にNHKが別の理由でこの進入が難しいことを報じました。

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 なぜ日本の空港なのに日米の調整が必要なのかというと、米軍が運用する横田飛行場の進入管制区に新たな進入経路がかぶっているため。いわゆる横田空域などと呼ばれる部分のハナシです。

この新たな飛行ルートは、在日アメリカ軍横田基地が航空管制を行う空域を一時的に通過することから、政府は、羽田空港を発着する航空機の上空通過を認めるとともに、航空管制も日本側が行うことを前提に、アメリカ側と調整を続けてきました。

 進入管制区をちょっとだけ返してもらって、東京APPで管制させて、みたいなことなんだとは思いますが

アメリカ側が、ことし夏ごろになって、上空通過も日本側が航空管制を行うことも認められないという意向を伝えてきたため、飛行ルートが運用できないおそれが生じていることが政府関係者の話でわかりました

 

 NHKの原稿にある「上空通過」というのはなにも横田飛行場の上空を通るという訳ではなく、進入管制区内の通過という意味であると見られます。横田の進入管制区といえば、「横田空域」などと呼ばれていて首都圏の上空なのに米軍が管制権を持っていて日本の航空機が飛ぶことができないなどとやり玉に挙がる場所。ちゃんと横田のAPPなどにコンタクトすれば飛べる場所で、事実この管制区内にある調布飛行場からは新島や三宅島への定期便が飛んでいますし、入間や立川といった自衛隊の基地もこのエリア内にあります。自由に飛べないというのはちょっと事実誤認の部分はありますが、今回はアメリカ側がダメと言っているということなので、制約があるのは間違いありません。

 なんでアメリカ側がダメとかヤだとか言っているのか(交渉の席でそう言っていたかどうかは知りません)、南風の時の15〜19時の間に使用することを想定しているルートを、相変わらずの雑な地図を作って見て考えてみました。

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もっとも横田の進入管制区に侵入してしまう南風悪天時の進入経路を青とオレンジのラインで描いています。赤の細い線より西、つまり左側が横田の進入管制区内となります。実は東京都内の多くが(といってもほとんど多磨エリアですけど)横田の進入管制区内なのです。

日本側はおそらくはみ出している部分だけ東京の進入管制区とさせてもらってシームレスな管制をさせてほしいという交渉をしたんだと思います。本来ならば東京APPから横田APPにコンタクトして、もう一度東京APPに戻るという管制になるはずです。

しかし管制区を東京に移したとして、横田から13マイルほどのところでほぼ直角に曲がるルートをまともに飛んでくれるように管制できるのか、パイロットはちゃんと操縦してくれるのか、素人目にも心配ではあります。B滑走路のRWY22への進入を指示されていた航空機が誤って隣のD滑走路RWY23への進入をしてしまったというのはちょいちょいあったみたいですし。

この直角に曲がるべきところを直進してしまった場合、航空自衛隊入間基地の進入経路にかなり近づくのもけっこう問題ありなのかもしれませんし、入間でゴーアラウンドやミストアプローチが発生した場合に羽田への進入機とのセパレーションが取れるのかなどの心配もあるのかもしれません。

アメリカ側との折衝がちゃんと終わってないのに、決まったことのように説明会をやった日本側への不信感とかそういうのもあるのでは?などと考えると、いろいろな要素が絡む交渉ごとはたいへんだなと、パソコンいじりつつアイスを食べながら考えました。ごめんなさい。