飛行場放浪記

飛行場が大好きなおっさんがなにか書いてます。たいてい何か食べたり吞んだりしてます。

航空無線のすべて2016表紙撮影の裏話・続編

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 9月11日に発売になった「航空無線のすべて2016」(三才ブックス)。この本の表紙を撮影するのに自腹で勝手に新石垣空港行きを決めて、空港に着いたところまでが前回のおはなしでした。

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  撮影のために山に登った方が書いたブログなどを読んで見ると、たかだか150mほどの山なのにかなり険しそう。その一方で登山が趣味の方のブログではあっさりと登れる山だという記述も。

 そして、なにより怖いのがアレです。猛毒のハブ。咬まれても助けを呼ぶことができるかどうかすら危うい場所で、かつどっから出てきてもおかしくないシチュエーション。宿泊先の方も、ハブはもう出てきてるというではないですか。

 ハブは夜行性で、日中は草の陰などに隠れているんだとか。山の中なんて草の陰だらけです。気温が30度以上ではほとんど活動しないという暑がりなところもあるみたいなので、日中の撮影の時間帯ならなんとかなるんじゃないかと自分を納得させて現場へと向かったのです。

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  ここにたどり着く手前、草刈りをしてらっしゃる方がいたのでちょっとおはなし。

「あの山に登りたいんですが、この道で合ってますか?」
「クルマでは登れんよ~」
「クルマで登れないのは知ってるんですが、登り口はこの先にありますか?」
「いやー、クルマでは登れんよ~」

  車で上れたらラクでいいんですがねー。

 上の写真のほぼ中央部分のなだらかになってる部分(それでもけっこうな傾斜です)を登り、尾根のようになっている部分をさらに上って山頂にたどり着きます。もうここにいると、どこにハブがいてもおかしくないという気分になります。

 ちなみにハブは音が聞こえないそうで、熊対策のようにラジオや鈴ではどうにもならないらしいです。まわりに誰もいないのでエアーバンドを大音量で流しながら登りましたが、ハブ対策にはまったく効果がないことになります。

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 急な斜面をわずかな踏み跡を頼りに登ってきたところがこんな感じ。山頂じゃなくても、もうここでいいかな、と思ってしまうほど絶景です。とはいえここであきらめるわけにはいかず、木が生い茂る道を草やら蜘蛛の巣やらをかき分けて山頂を目指します。

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 こんな道。直線距離にして80mほどですが、身の丈をはるかに超える藪と生い茂る木をこいでいかねばなりません。ハブに咬まれる被害のほとんどは下半身だというので、革のブーツと厚手のジーンズという気温30度以上で活動するのにまったく適さない装備を選んだのですが、上半身はこの藪漕ぎを想定せず半袖。切り傷ひとつなく通過できましたが、行くなら長袖推奨です。

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 しんどいとはいえおそらく10分もかからない程度の道のり。目の前に航空障害灯の設備を囲うフェンスが見えて、山頂到着。そこで見えたのがこの景色。登ってきてよかったと、息を切らしながら思ったものの、吹き出る汗は止まりません。

 11時前に山頂に到着、後から登ってきた航空写真家の方と一緒に16時ごろまで粘って撮影し続けていたら、ペットボトルの水が底をつき、日差しと喉の渇きとの戦いになってしましました。機材があるので余計な荷物は増やしたくないところですが、6月下旬という時期でも1リットルは持って登らないと、じっくりと腰を据えて撮影できないかな、と思います。