作り方にも食べ方にもこだわりあり。福岡空港の博多カレー研究所
「悔しさを感じないカレーを、作りたい」
厨房前のカウンターにそう書かれたカレー屋さんが福岡空港のフードコートにありました。博多カレー研究所という店名は、熊本空港の中にある肥後カリー研究所を思い出させますが、メニュー内容からしてあまり関係はないようです。
カレーは2種類。店名とともに大きく書かれているのが「博多とんこつ旨あごカレー」、もう一つが「博多とんこつ激にぼカレー」。旨あごとは、とても美味しくてアゴが外れそう、とかいうのではなく、北部九州で使われるトビウオを使ったダシのことを「あごだし」といい、これをつかったものであることは想像できます。
発注するとワイヤレスコールとともに小さな紙を渡されます。美味しい召し上がり方と題したその紙には「まずごはんだけ」「次にカレーを少なめ」とカレーの分量を増やしながら食べて自分のベストを見つけてね、というようなことが書かれています。トッピングは全体の40%を食べてから、福神漬けは全体の80〜90%とけっこう細かいです。そういや、福岡に食べる順番間違えると怒られるラーメン屋さんがあったことを思い出しましたが、こちらはこれを守らなかったからといって怒られることはなさそうです。
冒頭の悔しさを感じないカレーについても記載があり、要約するとカレーならたいてい美味しくなっちゃうのが悔しいんだそうで、さらに高みを目指すものを作りたいというようなことのようです。食べる側が「このカレーあんまり美味しくなかったな」という悔しさだと思ってたら、違いました。
あごだしなので和風な味らしく、トッピングも福岡らしいごぼう天とか、あとはネギやかき揚げと、まるでうどんのようなものも。今回はなんとなくごぼう天を載せてもらいました。
書かれているとおり、まずはごはんから。九州産の玖珠米という米を使用しているそうで、普通の白米としてもちゃんとしている美味しいごはんです。つづいて少量のカレー、という順番ですがカレーソースの味を確かめたくて舐めてみました。さらっとしていて具材はなし。たしかにあごだしを感じますが、とんこつのほうはさほど強くは舌に残りません。
当然ながら和風を感じるので、ごぼう天がよく合います。おそらく、かき揚げもよく合うことでしょうし、ネギもよさそうです。いっそ、ごはんじゃなくうどんにしてもよさそうな、そんなそんな感じがするカレーでございました。