開発の経緯や詳しい原理などはメーカーのサイトに記載されているのですが、短くてよく飛ぶアンテナをと模索していたらこの形に行き着いたんだそう。電波を送受信するのに最も適したアンテナの長さは波長の1/2の長さなんだそうですが、長いと携帯性が損なわれるためハンディ機のアンテナはたいてい波長の1/4の長さになっています。
VHF帯エアバンドの波長はおよそ2.5m。1/4だと62.5cm。短縮率やらなんやら計算式があるのですが、エアバンド用アンテナの最も長いものが50cm近くあるのはこのためです。
1/4にした場合にはアースが必要となり、ハンディ機用アンテナの場合はハンディ機本体をアースに見立てています。しかし、ハンディ機が小型化されてアースの効果が十分に得られず、アンテナの性能が発揮できずにいます。それを補うのがこのアドオンラジアルなんだそうです。
まずはラジアルリングと呼ばれるパーツをハンディ機に取り付けます。スペーサーが付属しているので、ラジアルリングと本体の間に隙間ができる場合は、スペーサーを入れたほうが安心です。
つづいてアンテナ本体を取り付け。この状態でも、またラジアルリングを使用しない状態で直接アンテナを取り付けても、1/4波長のアンテナとして機能してくれます。
つづいて、ラジアルリングにアドオンラジアルをねじ込みます。ラジアルリングにねじ穴が1箇所開いており、この部分が回転するような構造になっているため、好きな方向にアドオンラジアルを飛び出させることができます。これで、冒頭の写真のような状態が完成。アドオンラジアルは丸めたりすることなく、だらーんと伸ばしておく必要があるそうです。
メーカーの技術解説によれば筐体が小さいハンディ機ほど効果が出そうなので、手元にあった一番小さいハンディ機にさっそく装着、羽田のATISを受信してみました。
Sメーターを見る前からもうその効果は明らかで、室内の電波が入るかどうかギリギリのところでの安定度はアドオンラジアルありの方が上。 ヘンなノイズが強い場所で、アドオンラジアルを付けると目的の電波の音声が浮かび上がってくるように聞こえてくるという場面もありました。
ラジアルリングは普通のSMA型コネクタなので、こんな使い方もできるはず。
別のアンテナメーカー、第一電波工業のエアバンド受信用アンテナ「SRH103」。超ミニサイズアンテナですが、構造上は1/4波長のアンテナです。その小ささ故携帯性は抜群ですが、弱い電波を受けにくいため空港周辺など電波が強く入るところでないと使いにくいアンテナ。
使ってみたところ、メーターの振れはさきほどの写真ほどハデな変化はありませんでしたが、スケルチが開かないほど弱い電波が、アドオンラジアルを付けることで内容を理解できるぐらいの受かり具合に。他社の製品でも効果はあるようです。
今回、撮影にはアイコムのID-51、八重洲無線のVX-3と、どちらも電波を送信できるアマチュア無線機を使用しましたが、HS3000Rは受信専用で送信はできない構造となっているそうですので、ご注意ください。
エアバンド(航空無線)受信用ハンディダイポールアンテナ[アドオンラジアル型]ナテック HS3000... |