北海道の玄関口と言えば新千歳空港。道内最大都市の札幌市とはJRで40分ほどの場所にあります。かつては札幌市にも飛行場があり、1937年には東京との航空便が運航されていたそう。札幌駅の北側、北区役所ちかくに正門跡が残されています。この北側に1942年に設置された札幌第二飛行場とか札幌心飛行場と呼ばれたところが残り、現在の札幌飛行場、丘珠空港となったそうです。
現在では新千歳空港が主に道外路線、丘珠空港はプロペラ機で道内路線として棲み分けていますが、札幌市街地とのアクセスの良さを生かして道外路線を拡充させようと検討を行っています。
という歴史はともかく、短距離路線でそれほど便数も多くない(陸上自衛隊と共用のため便数を増やせないという事情もあるらしい)こともあり、ターミナルビルは小さめ。飲食店は、保安検査場入り口のとなりにある丘珠キッチンが唯一のものとなります。
こちらで名物として推しているメニューが丘珠カレーと丘珠拉麺。なんでも、丘珠周辺で多く栽培されている札幌黄という品種のタマネギを使ったものだそう。一般に流通しているタマネギよりも肉厚で加熱すると甘みが増すという特徴の一方で、病気に弱く日持ちもしないことからまぼろしのタマネギなどとも呼ばれている札幌黄。ネギ好きにはたまりません。
写真を見ても分かるようにもうカレーソースがとろっとろ。カレーの辛さをタマネギの甘みとかうまみが上回っていて、コクのかたまりみたいなカレーでとにかく旨いです。札幌といえばスープカレーがメジャーですが、タマネギの特長を生かすなら欧風カレーのほうが向いているのかもしれません。
カレーと拉麺一緒に食べるとおなかいっぱいで味が分からなくなりそうだったので、このカレーを食べてからおよそひと月後、丘珠で開催された札幌航空ページェントのときに食べようと思っていたら、イベント終了後にたどり着いた時にはもう食べ物はすべて終売に。
半年ほど日をあらためて丘珠拉麺を食べに空港へ。拉麺だけだとさみしいのでミニカレーもセットにしてみました。ミニといえどもちゃんと丘珠カレーと同じカレーソースが使われているようで、安定のおいしさ。
できたてなのにさほど湯気も立ってなかったのはとろみが付いているスープのせいだったようで、麺上げをやってみたら一瞬でレンズが曇るほどのあつあつぶり。食べても食べてもあつあつが止まりません。
口腔内に多少の負傷をしながらも、タマネギの味を感じるのですが、それが具材なのかスープなのか麺に入っているのか全く分からない不思議なラーメン。とにかく、タマネギのうまみというしあわせが続く美味しいラーメンでした。
レストランの窓からはエプロンがよく見えます。PBB(搭乗橋)がないのでブラインドになる部分もないし、レストランが2階にあるので航空機がかなり近くに感じられます。窓側の席がすべてカウンターになっているので、一人で行っても躊躇することなく座れるのはいいですね。
今回頂いたカレーと拉麺以外にも、中華料理が充実していて気になるメニューもあるのでまた機会があれば行ってみたい空港メシ処でした。
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